子どもが非行に走ったり親に反抗するのは思春期だから?

小学生でも四~五年生ぐらいなってくると、いわゆる思春期反抗期といった時期に入ってきます。それまでは、子どもらしく素直に親の言うことに従ってきた子が、急に口数が減ったり親への態度も反抗的になってきたりと、大きな変化をむかえる子が多いようです。稀にごく一部の子は、この時期からタバコを吸い始めたり、夜遊びをしたりと、非行・不良に走る子も出てきます。これに対し「思春期だからなー」と、子どものこれからの様子を見てみようと考えたり、「放っておいても、そのうちやめるだろう」と楽観視してらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

もちろん、淀屋橋心理療法センターでも、「思春期」は必要な変化・成長過程であると考えています。しかし、思春期の子どもさんが不登校になったり、非行に走ってしまうなど、簡単には見過ごせない状況になってしまった場合は話は別です。速やかに非行解決・不登校解決に向けて対応を工夫する必要があります。非行や不良傾向など反抗的な態度の場合も同じです。単に、思春期だから反抗するのか、それとも、親御さんの対応が子どもさんの性格や持ち味に合っていないからなのか、それとも学校や進路の事で何か悩んでイライラしているのか等、しっかりと分析する必要があります。

当センターでは、強がったり突っ張っている非行・不良タイプの子どもさんでも、親御さんの対応の工夫次第で、口数や態度が変わることをたくさん経験してまいりました。不登校非行の上に反抗的な態度、おまけに深夜徘徊・夜遊び・・・、この危機を対応の工夫によってチャンスに切り替えましょう。
※ 思春期をむかえる時期には個人差があります

非行っぽい子の意外な一面

「非行」は「怠け」?

学校はちょくちょく休むし、登校しても遅刻に早退は当たり前。まじめに勉強する気もないみたい。おまけに茶髪・ピアスに服装違反。きびしく注意しても効き目なし。親の注意もなんのその。いつも帰りは午前様。いったいこの子は何を考えてるんだ!!!。

このように、不登校の子の中でも非行傾向の子は家に閉じこもっているばかりではありません。学校でも、先生から注意をうけても懲りずに悪いことを繰り返します。特に困るのは「親のしつけが悪い」「親が甘やかしている」と、子どもの非行や素行の悪さを親のせいにされることです。事実、「厳しくしてきたのに・・・」という親御さんが大半なのです。では、やはり非行は子どもだけが悪いのでしょうか・・。

もちろん、学校や家庭で厳しくしても懲りないことから「非行=子どもが悪い」と判断なさるのはごもっともです。でも、これはあくまで仮の姿。ちょっと対応を変えてみると意外な面がでてきます。

その一例をご紹介しましょう。

非行の子の「強がり」は仮の姿。実はとっても「さびしがり屋」なんです

強い口調で注意すると反発ばかり。逆に、気軽な雰囲気で接してみると思いのほか気さくな面を見せることがあります。こんな子ほど相手にどう思われているかをすごく気にしています。おまけにさびしがり屋ですから、学校に居場所がないと感じるととっても行きづらくなります。気軽に話せる先生や友だちが学校にいる。これが何よりの登校動機なのです。家庭でも同様です。家庭という場に居心地の良さを感じたり、気軽に話せる親子関係ができるとガラッと変わる子が多いのです。

見た目は「派手」。でも、非行の子の内面はとっても「デリケート」なんです

オシャレや夜遊びにかける情熱を少しでも勉強にそそいでくれれば・・。ところが、見た目とはウラハラに勉強の遅れを気にしている子がけっこう多いのです。「進むペースが早くて追いつけなくなった」「先生の説明がわからない」「成績が悪いとコンプレックスを感じて居心地が悪い」。子どもさんの口が軽くなってくると意外とこんな言葉がでてくるかも。また、いろんなことを気にするタイプですから「話の合う子がいない」「卒業したあとどうなるかわからない」と、対人関係や自分の将来など、何か心配ごとがあって勉強の方まで気がまわらないのかもしれません。

今は非行でも、昔は「手のかからない」「良い子」だったんです

カウンセリングにこられたほとんどのご両親が口をそろえてこう言います。それは、幼いころからまわりの顔色ばかりうかがいながら行動してきたからです。「今日のお母さん機嫌悪そうだな」「勉強がわからないって言ったら怒られるだろうな」など、先に頭で考えてなかなか口にだせないのです。そんな子が調子をくずすのは中学生の頃が多いようです。ちょうど勉強や友だちづきあいを気にしたり、むずかしくなってくるころですからね。

非行仲間の前では「明るくて人気者」。実は「気をつかってる」んです

「だまっていると嫌われるんじゃないか」「誘いをことわると陰で悪口を言われるんじゃないか」「ニコニコしてないと雰囲気をこわしてしまうんじゃないか」・・。見た目には明るくても内心こんなことを考えて友だちと接している場合が多いのです。つねに「相手中心」「雰囲気重視」。人づきあいはとっても疲れるのです。だまっていても大丈夫、暗い話題でも気にせず話せる。こんな相手が一番リラックスできるのです。

非行の子は意外と「プライド」が高く、強がりばかりで「弱音」をはいたことがない。だから、苦手なことや怖いことは避けたいんです

「イヤなことからいつも逃げている」「苦手なことでも努力しようとしない」「調子のいいことばかり言ってぜんぜん実行しない」。意外と高い理想をもっているものの、自信がないとすぐにあきらめてしまいます。ここは周囲の大人の出番です。不安が言えたり弱音がはける環境をつくってあげるだけで、行動力(意欲)がでてきます。ちょうど水泳の息つぎのようにちょっとがんばっては弱音をはく。こうすることで継続力もついてきます。

<親御さんのタイプ>「まじめ」で「正義感」の強いご両親が多いのです

まじめで正義感が強いだけでなく、子どものことが心配で寝付きが悪くなったり、食事がのどを通らない方もおられます。それほど子どもさんの脱線が家族にとって一大事なのです。帰りが遅いと良からぬことばかり考えてしまい、心配が度をこして怒りに変わることも。ですから、子どもの行動が悪いからといって親を責めてしまうと家庭内の悪循環をまねいてしまい、ますます悪い方向にいってしまうことがあります。

非行っぽい子の意外な素顔

・・・ いかがですか。私どものセンターにもこのような子どもさんの相談が多数よせられています。そして、どの親御さんも一日も早く解決したいという動機づけが強く、取りくみも非常に熱心です。一方の子どもさんも周囲の対応次第で変化しやすく、解決までのプロセスがはっきりしています。学校にも家庭にも自分のことをわかってくれる人がいて弱音がはきやすい。これが何よりの安心材料であり、再登校(安定登校)にこぎつける最短ルートなのです。